予備校講師によるセンター理科総合学習法
8号
こんにちは、予備校講師の田原です。
無料レポート第2弾を作り始めました。
今回のレポートのテーマは、「理科総合を使うかどうか判断できる!」というものです。
夏休みを境に、生物Iや化学Iで行くのか、それとも理科総合A/Bへ切り替えるのか、と迷う人がたくさん現れるのではないかと予想しています。
そんなときに、判断材料になる情報があれば助かるんじゃないかなーと思っています。
無料レポート第2弾が、その判断材料になる予定です。
塾や高校の先生方には、進路指導の資料として使っていただけたらと思います。
完成しましたら、このメルマガで告知しますので、参考にして下さい。
それでは、第8号のスタートです!
■第3講(その2) 理科総合Aの講義より
〇酸化と還元
酸化:電子を失うこと
還元:電子を受け取ること
酸化数:失った電子数
※理科総合の教科書では、
酸化(酸素を受け取る、水素を失う)
還元(酸素を失う、水素を受け取る)
という定義で扱っていますが、僕は、電子の授受で説明しています。
酸化数の求め方
(1)水素の酸化数は1、酸素の酸化数は-2とする。
例外:H_2O_2のOは、-1
(2)単体の酸化数は0
(3)化合物の酸化数の和は0
(4)イオンの酸化数の和は価数と等しい
例)SO_4^(2-) のSの酸化数を求めよ。
求める酸化数をxとおくと、
x+(-2)×4=-2
x=6
よって、硫酸イオンの中の硫黄原子は、電子を6個失っている状態で結合していることが分かる。
〇酸化剤と還元剤
H_2S+I_2 → 2HI+S
~ ~
Sの酸化数は、-2→0 (2増加した=2個電子を失った=酸化された)
Iの酸化数は、0→-1 (1減少した=1個電子を受け取った=還元された)
電子の授受に注目すると、
I →電子→ S
Iは、Sへ電子を与えて還元してやったから、還元剤
Sは、Iから電子を奪い取って酸化したから、酸化剤
〇物質量(モル数)
理科総合の教科書には、モル数は登場しませんが、計算問題を解くときに物質量を理解していると立式しやすいので、教えています。
・モル数を考えるメリット
核子1個からなる水素と、核子4個からなるヘリウムの質量の比は、およそ1:4になる。
原子1個の重さは、約10^(-23)gほどなので、1個単位で扱うと、小さすぎて扱いにくい。
水素が1gになるまで集めてやると、水素原子の個数は、6.0×10^(23)個になる。
ヘリウムが4gになるまで集めてやると、ヘリウム原子の個数も、6.0×10^(23)個になる。
つまり、6.0×10^(23)個という個数は、原子を構成している核子数と、質量を表すグラム数が等しくなるという便利な個数なのだ。この個数をアボガ
ドロ数
といい、アボガドロ数だけ集めて一まとめにした単位を1モル(mol)という。
物質1モルの質量を
原子量(原子の場合)
分子量(分子の場合)
式量(組成式の場合)
という。
〇モル数の3つの表現
(モル数)=(質量)/(原子量)=(個数)/(アボガドロ数)=(体積)/22.4
※0℃1気圧(標準状態)の気体1molの体積は、22.4リットルになる。
理科総合の範囲では、この3つの表現を覚えておくと、計算問題を簡単に解ける。
〇化学反応の計算問題
例題------
N_2+3H_2 → 2NH_3
(1)窒素2.8グラムが完全に反応したとき、生成したアンモニアの個数はいくらか。
(2)窒素2.8グラムが完全に反応するのに必要な水素は、標準状態で何リットルか。
ただし、N=14, H=1 とする。
-----------
(1)化学反応数の係数比より、
窒素のモル数:アンモニアのモル数=1:2という式を立てればよい。このとき、モル数の3つの表現から、問題に合うもの
を選ぶ。
2.8/28 : x/(6.0×10^(23)) =1:2
x=1.2×10^(23)
(2)化学反応数の係数比より、
窒素のモル数:水素モル数=1:3
という式を立てればよい。このとき、モル数の3つの表現から、問題に合うものを選ぶ。
2.8/28 : y/22.4=1:3
y=6.72 リットル
■地磁気の反転
日経サイエンスの7月号に、「地磁気の反転」の話が載っていました。
理科総合Bで扱いますが、地球の内部構造は中心から順に
内核:固体の金属からなる
外核:液体の金属からなる
マントル:岩石なる
地殻:岩石からなる
というようになっています。
中心のほうが温度がたかく、外側に行くにしたがって低くなっています。
「下が温度が高く、上が温度が低い」という状況にある液体は、条件によっては対流を生じます。
鍋に水を入れて加熱すると対流が生じるのと同じ原理です。
地球の内部では、液体の金属からなる外殻が、対流を起こしていると考えられています。
そして、金属が対流すると、それによって電流が流れます。
電流が流れると、それによって、磁場が発生します。
地球に生じている地磁気は、外核の金属の対流が原因だというのがダイナモ理論です。
ところが、ここに発生している対流は、乱流状態にあって、対流の速さが変化したり向きが変わったりするのです。
その結果として、地磁気の向きも北がS極になったり、N極になったり、地球誕生以来何度も反転してきました。
その反転の歴史は、乱流の不規則性を反映して、カオス的です。
4年前、地磁気反転のデータを始めてみたとき、「これは、乱流だな!」と思ったものですが、今回の記事を読んで「やっぱり、乱流なんだ」と分かり、少しう
れしかったです。
一定で不変だと思いがちの地磁気の向きが、地球レベルの時間スケールでは、何度も反転していて、その原因が外殻の対流にあるなんて面白いじゃありません
か。
地球がこれからだんだん冷えていくと、地磁気の反転はどうなるんでしょうかね。
ふつうの乱流の場合は、上限の温度差を少なくしていくと、対流のロールの数が減り、より規則的な対流へと変化していきます。また、対流のロールが減る間隔
が長くなってきます。
だとすると、今はめまぐるしく反転している地磁気の反転間隔が、だんだん長くなってきて、また、きれいな対流になってくるので地磁気の強さはだんだん強く
なってくるというのが、かつて複雑系を研究していた僕の予想です。
でも、どうやったら確かめられますかね?
★お知らせ
無料レポート第1弾!
「理科総合でセンター突破!3つの必勝法」を無料ダウンロードできます。(PCから)
http://rikasougou.com/rikareport-1.html
レポートを読んだ方の感想は、こちらから見れます。
http://tinyurl.com/9e2du
■編集後記
僕は、日経サイエンスを愛読しています。
昨年、何回にも渡って特集した「崩れるゲノムの常識」も面白かったですし、最近の日経サイエンスは、かなり面白いです。
今回は、日経サイエンスの記事を、僕なりの視点で紹介してみましたが、理科総合に関連する話題を、これからも、機会があれば、とりあげてみようか
と思います。
授業中の雑談みたいなものですね。
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